Iターン転職の始め方|縁のない地方へ移る20代の情報の集め方と探し方
地元でもない地方へ移りたい。Iターンは情報が手に入りにくいぶん、進め方に順番があります。移住支援の使い方から仕事の探し方までを整理します。
更新 ・ 20代の転職・就職を専門に発信
都市部の働き方に疲れた、自然の近くで暮らしたい、住居費を下げて生活の余裕をつくりたい。そうした理由から、生まれ育った土地でもない地方へ移ることを考える20代が増えています。これがIターンです。地元に帰るUターンと違って、頼れる実家も、地元の知人も、土地勘もありません。そのぶん自由に選べる一方、情報がまったく入ってこないという壁にぶつかります。求人はどこで探すのか、住む場所はどう決めるのか、そもそも合わなかったらどうするのか。この記事では、縁のない土地へ移るときの進め方を、順番に沿って整理します。
UターンとIターン、Jターンの違いを整理する
まず言葉を揃えます。移住を伴う転職には、大きく三つの形があります。
| 形 | 行き先 | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|
| Uターン | 生まれ育った地元 | 実家・知人・土地勘がある | 人間関係の距離が近すぎることがある |
| Iターン | 縁のない地方 | 土地を自由に選べる | 情報も人脈もゼロから |
| Jターン | 地元の近くの地方都市 | 実家との距離を保ちつつ求人も多い | どっちつかずに感じることがある |
Iターンの難しさは、経歴や能力ではなく情報の非対称にあります。地元の人なら当たり前に知っていることを、こちらは何ひとつ知らない。ここをどう埋めるかが、進め方のほとんどを占めます。
地元に帰る形を検討している場合はUターン転職・就職を考える20代へ|地元に帰る前の確認と相談先のほうが近いので、あわせて読んでみてください。
順番を間違えると遠回りになる
Iターンでよくある失敗が、先に土地を決めてしまうことです。旅行で行って気に入った、という理由だけで移住先を絞ると、その土地に自分の職種の求人がまったくないという事態が起きます。
おすすめの順番は次のとおりです。
- 今の経験で通用する職種を確認する
- その職種の求人が一定数ある地域を、複数リストアップする
- その中から、暮らしの条件で絞る
- 候補地を実際に訪れる
- 仕事を決めてから住まいを探す
順番を逆にすると、住みたい土地で仕事が見つからず、結局都市部に戻ることになります。仕事から絞るほうが遠回りに見えて、実際は近道です。
情報をどこから取るか
縁のない土地の情報は、大手の求人サイトだけでは足りません。次の四つを併用してください。
- 自治体の移住相談窓口——仕事、住まい、支援制度をまとめて聞けます。移住者向けの補助を用意している自治体もあります
- 地域特化の転職サービス——その県の求人事情を知っている担当者がつきます
- 移住体験や短期滞在の制度——住んでみないと分からない部分を先に確認できます
- 全国対応のエージェント——地方拠点の求人を扱っていることがあります
拠点が遠くて面談に行けない場合でも、オンラインだけで進められます。手順は近くにエージェントの拠点がない|オンラインだけで進める転職の手順にまとめました。
収入と生活費を、両方の数字で見る
Iターンでは、額面の年収が下がることが多くあります。ただし判断すべきは手元に残る金額です。家賃、駐車場代、車の維持費、光熱費。地方は住居費が下がる一方、車が一人一台必要になる地域では、その分の固定費が増えます。
紙に二列で書き出して比べてください。都市部での現在の収支と、移住後の想定の収支。この作業をすると、年収が下がっても生活に余裕が出るのか、逆に苦しくなるのかがはっきりします。地方の給与水準と生活費の関係はUターン転職で年収はどれくらい下がる?地方の給与と生活費の現実で具体的に扱っています。
あわせて、初期費用も見ておいてください。引っ越し代、敷金礼金、車の購入費。移住支援金を出している自治体もありますが、条件があるため、あてにする前に要件を確認しておきましょう。
面接で必ず聞かれること
Iターンの面接では、ほぼ確実に「なぜこの土地なのか」を聞かれます。縁のない場所へ来る以上、採用側は「本当に定着するのか」を気にするからです。
ここで「自然が好きだから」だけで終えると弱く聞こえます。避けたいのは、都市部から逃げてきたという印象を持たれることです。今の環境から離れたい気持ちが動機の中心にあったとしても、伝え方は変わります。
効くのは、その土地を選んだ具体的な理由と、実際に取った行動をセットで話すことです。何回訪れたのか、どんな制度を調べたのか、どこに住むつもりなのか。行動が伴っていると、思いつきではないと伝わります。志望動機の組み立て方は転職の志望動機の書き方も参考になります。
合わなかったときの戻り道を用意しておく
これは弱気な話ではなく、準備の一部です。移住してみて合わなかった、という結果は普通に起こります。
用意しておきたいのは二つです。ひとつは生活費の半年分の蓄え。もうひとつは都市部で通用する経験を持ち続けることです。地方でしか使えない仕事だけを続けると、戻る選択肢が細くなります。
戻り道があると分かっていると、かえって腰を据えて取り組めます。逃げ場をなくすほうが覚悟が決まるという考え方もありますが、20代のうちは選択肢を残しておくほうが結果的に長く働けます。都市部へ出る側の視点は地方から東京への転職は難しい?20代の上京転職の進め方と現実的な準備にあります。
よくある質問(FAQ)
- Q. 縁のない土地でも採用されますか?
- A. 採用されます。人手が足りない地域ほど、外から来る人を歓迎する傾向があります。ただし定着の意思は必ず確認されます。
- Q. 移住支援金はもらえますか?
- A. 自治体によって制度も条件も異なります。対象となる移住元や就業先が決められていることが多いので、動く前に自治体の窓口で確認してください。
- Q. 家は先に決めるべきですか?
- A. 仕事を先に決めるほうが安全です。勤務地が決まってから住まいを探すと、通勤の条件で失敗しません。
- Q. 車は必要ですか?
- A. 地域によります。公共交通が少ない地域では一人一台が前提になることもあるため、生活費の試算に必ず含めてください。
本記事は一般的な傾向の整理であり、求人状況や支援制度を保証するものではありません。制度の要件は自治体の窓口で確認してください。
知らない土地を選ぶということは、これまでの人間関係の外側で自分を試すということでもあります。情報が少ないのは不利ですが、しがらみがないのは自由でもあります。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。転職・就職活動の結果を保証するものではありません。各サービスの詳細は公式サイトをご確認ください。