地元に帰るか、このまま残るか決められない|20代後半からの考え方
地元に帰るべきか、都市部に残るべきか。答えが出ないまま何年も過ぎてしまう人へ。決め方そのものを整理するための考え方をまとめました。
更新 ・ 20代の転職・就職を専門に発信
20代の前半までは、地元に帰るかどうかは仕事の話で済んでいました。給料が上がるほう、やりたいことができるほう。それで選べたはずです。ところが20代の後半にさしかかると、判断の材料が変わってきます。結婚を考える相手ができた、友人が地元で家を建て始めた、親が少し年を取ったように見えた。仕事の条件だけでは決められない要素が入ってきて、そこから答えが出なくなる。この記事は、結論を出すためのものではありません。決められない状態そのものをどう扱うか、そして何を基準に決めれば後から納得しやすいのかを整理します。
決められないのは、比べるものが違うから
この問いが難しいのは、天秤の両側に載っているものの種類が違うからです。
都市部に残る側にあるのは、仕事の選択肢、年収の伸びしろ、刺激。地元に帰る側にあるのは、家族との距離、生活の落ち着き、慣れた土地。数字で比べられるものと、比べられないものを同じ天秤に載せようとしているので、いつまでも釣り合いません。
ここで多くの人がやってしまうのが、数字で比べられるほうだけを検討することです。年収がいくら下がるか、求人が何件あるか。それは大事な材料ですが、そもそも迷いの原因はそこにないことが多いのです。
まず、迷いの正体を切り分ける
「地元に帰るか迷う」と一言で言っても、中身は人によって違います。次のどれに近いか、自分に当てはめてみてください。
| 迷いの型 | 本当に考えていること | 先に手を付けるべきこと |
|---|---|---|
| 仕事型 | 地元に自分の仕事があるのか分からない | 求人を実際に検索して数を見る |
| 家族型 | 親や家族に対して何かすべきではないか | 家族と生活の形を話す |
| 比較型 | 地元の友人の暮らしがよく見える | 比べている対象を具体的に書き出す |
| 疲労型 | 今の生活がしんどい | 環境より先に休む。判断はその後 |
この切り分けが効くのは、型によってやるべきことがまったく違うからです。疲労型の人が求人を検索しても迷いは晴れませんし、仕事型の人が家族と話しても答えは出ません。
いまの生活が限界に近いと感じる場合は、判断より先に休んでください。消耗した状態で決めた選択は、後から見直したくなります。詳しくは朝、仕事に行きたくなくて涙が出る。それは「甘え」ではなく限界のサインを読んでみてください。
どちらを選んでも「もうひとつの道」は残る
ここは正直に書いておきます。この問いに、後悔のない正解はありません。
地元に帰った人は、都市部にいたらどうなっていたかを考えます。都市部に残った人は、友人のように実家の近くで家族と過ごす道もあったのではと考えます。30代になっても、40代になっても、ふとした瞬間にそれは戻ってきます。
これを「決め方が悪かったから」と受け取る必要はありません。選ばなかったほうを思うのは、選択に重みがあった証拠であって、間違えた証拠ではないからです。
だからこそ、目指すべきは後悔しない選択ではなく、説明できる選択です。何を優先したのか、そのとき何を手放すと決めたのか。自分の言葉で言えるなら、迷いが戻ってきても立て直せます。
決め方を決める、という手順
結論が出ないときは、結論ではなく手順を先に決めてください。
- いま決めなければいけないのかを確認する。期限があるのか、自分が焦っているだけなのかを分ける
- 優先順位を三つだけ書く。多すぎると比較になりません
- それぞれについて、両方の選択肢がどうなるかを一行で書く
- いちばん上の項目で勝っているほうを選ぶ
四つ目が肝心です。すべての項目で勝つ選択肢は存在しません。いちばん大事なもので勝っていれば、それで決めていい。残りの二つで負けることは、あらかじめ引き受けると決めておきます。
判断の軸そのものが定まらない場合は、転職の軸の決め方で書き出しの手順を扱っています。
期限を切ると、迷いは動き出す
この問いのやっかいなところは、決めなくても日常が回ってしまうことです。答えを出さないまま3年、5年と過ぎ、気づけば30代半ばになっている。そして選択肢のほうが先に狭まっていきます。
おすすめは、自分で期限を切ることです。次の誕生日まで、今年度いっぱい、と決める。そのうえで、期限までに「求人を見る」「家族と話す」「一度帰ってみる」といった具体的な行動を入れておきます。
期限までに答えが出なければ、そのときは「今は決めない」と決めればいい。曖昧に流れるのと、決めないと決めるのは別のことです。後者なら、次にいつ考えるかも自分で置けます。
動く前に、片方だけでも試せる
いきなり全部を賭ける必要はありません。試す方法があります。
地元側を試すなら、長期の休みに帰って、観光ではなく生活として過ごしてみてください。平日の昼間に何があるのか、買い物はどこでするのか。旅行で見る地元と、暮らす地元は別物です。求人を実際に検索してみるのも、この段階でできます。
都市部側を試すなら、今の職場ではなく別の会社を見てみてください。地元に帰りたい理由が、その土地ではなくいまの職場のつらさだったというケースは実際にあります。それなら転職で解決します。
実際に動くと決めたときの確認事項はUターン転職・就職を考える20代へ|地元に帰る前の確認と相談先に、都市部へ出る側の準備は地方から東京への転職は難しい?20代の上京転職の進め方と現実的な準備にまとめています。
よくある質問(FAQ)
- Q. 何年も迷っています。決断力がないのでしょうか。
- A. 材料の種類が違うものを比べているので、簡単に答えが出ないのは自然です。決め方の手順を先に決めると動き出します。
- Q. 親には帰ってきてほしいと言われています。
- A. 家族の希望は大事な材料ですが、それだけで決めると後から重くなることがあります。まず利害のない第三者に話して自分の考えを整理してから、家族と話す順番をおすすめします。
- Q. 地元の友人が幸せそうに見えて焦ります。
- A. 見えているのは相手の一部だけです。焦りの正体を切り分けるところから始めてください。
- Q. 決めたあとで気が変わったらどうすればいいですか。
- A. 変えて構いません。20代であれば、選び直せる余地は十分に残っています。
本記事は考え方の整理であり、個別の事情に対する助言ではありません。心身の不調が続く場合は、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの公的な窓口にも相談できます。
選ばなかったほうの人生を思うことは、選び方を間違えた証拠ではありません。どちらの道にも、ちゃんと生きられる自分がいたというだけのことです。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。転職・就職活動の結果を保証するものではありません。各サービスの詳細は公式サイトをご確認ください。